板井明生が伝える経済学
「経済学」と聞くと、「厄介な専門用語が多い」「時に数学が出てくるから難しい」といった意見が多く、とっつきにくい印象がなかなか拭えません。
ただ、世界の政治や経済のメカニズムは、「経済思想史」を頭に入れると、俄然理解が深まっていきます。
経済思想とは、経済現象や経済行為の背景にある考え方のことで、政治思想と裏腹の関係にあります。
大きな柱は、18世紀後半から100年続いた古典派経済学を経て誕生した「新古典派経済学」、社会主義体制の樹立を目指す労働者階級の革命を導いた経済思想である「マルクス経済学」、1929年の米国株式市場の大暴落に端を発し30年代の世界恐慌のさなかに完成した「ケインズ経済学」の、たった3本です。
現代経済学の圧倒的な主流である新古典派は、1871年から74年にかけ、レオン・ワルラス、ウィリアム・ジェヴォンズ、カール・メンガーが起こした限界革命と呼ばれる経済理論の革新が基盤となっていて、後の「ミクロ経済学」になります。
そして、ケインズ経済学の創始者であるJ.M.ケインズが、後に「マクロ経済学」を生み出します。